きっかけは母の認知症
母がアルツハイマー型認知症と診断されたのは、今から2年ほど前のことです。
手の震えが止まらず、言葉も出にくくなり、料理や洗濯といった家事全般が徐々に難しくなってきました。
当初は父が一人で母の世話をして、私は週に1回立ち寄る生活。けれど父一人では家事と介護の両立は難しく、私が行くたびに掃除をしても追いつかない状態。
- 賞味期限切れの食品が大量に残っている(捨てると父が怒る)
- カビだらけのトイレや浴室(もちろんバリアフリーではない)
- 洗い物が山積みで排水溝は詰まりがち
- 2階はホコリとモノでいっぱい
- とにかく家全体が臭う
築40年以上の6LDK。母は元気な頃から「家を手放して便利なところに引っ越したい」と言っていたのですが、父が頑なに拒み続けてきました。ところがようやく現実に向き合ったのか、父も「もう一人では家や庭の手入れができない」と感じ、家を売る決意をしたのです。
施設探しから同居の決断へ
母と父が一緒に入れる施設を探し始めましたが、金銭的にも条件的にもなかなか合う場所が見つかりません。その間にも母の症状は進行し、父の負担も増えるばかり。
「このままでは両親ともに共倒れだ」と思い悩んだ末、夫と子どもに同居の相談をしました。有難いことに、2人とも快く受け入れてくれたのです。本当に感謝しかありません。
ただ実際には課題が山積みでした。
- 実家は不便な場所にあり、夫の通勤が難しい
- 古すぎて建替必須
- 我が家の小さな4LDKでは5人での同居は不可能
そこで思い切って「実家も自宅も売却し、新しい家を探す」という結論にたどり着きました。
家の売却で大変だったこと・よかったこと
まずは両方の家を整理・売却するところからスタート。
大変だったこと
- 実家は古すぎて更地にせざるを得なかった
- モノが多すぎて片付けが地獄のように大変
- 希望価格より大幅に安くしか売れなかった
- 我が家は住宅ローンが残っており、完済後に売却。結果、貯金はほぼゼロに
よかったこと
- 我が家は築12年ほどだったため、すぐに買い手がついた
- 購入時とほとんど変わらない価格で売却できた
大変さと安堵が入り混じる売却作業でした。
中古物件探しと条件
新築を建てるのが理想でしたが、資金的に厳しいため、中古をリフォームして住むことに。
中古物件探しは3か月ほど。実際に見に行ったのは4軒程度です。立派な二世帯住宅もありましたが、リフォーム費用や維持費を考えて断念しました。
重視した条件は:
- 周辺がフラットで、玄関までの動線がバリアフリーか
- スーパーや病院へのアクセス
- 母のデイケアが継続できる場所か
- リフォーム込みで予算内に収まるか
すべてを満たす物件は難しく、最終的に「ほぼ条件を満たす家」に決めました。
リフォームと引っ越し
購入した家は二世帯住宅でしたが、玄関・キッチン・浴室は共用。2階に私たち家族用のリビングとシャワールームがあります。
リフォーム内容は:
- 1階の床、クロス全般の張り替え
- 屋根、外壁塗装
- 全窓をインプラスで二重窓に
- 1階和室を両親の寝室に改装
- 床の間部分にバリアフリートイレと小さなシンクを増設
これで両親は寝室内でトイレや歯磨きができるようになりました。工事期間は約4か月。
ただし外構や庭は手を入れる余裕がなく、今もそのまま。最初にやっておけばよかったと後悔しています。
感謝とこれから
同居のために小学校を転校した息子、通勤時間が長くなった夫。2人には感謝してもしきれません。
同居して一年。やっぱり大変なことは多く、行き詰まる日もあります。でもそれも含めて、今の暮らしを続けていくしかないと思っています。
(同居生活の大変さについては、また別の記事で書こうと思います。)
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