テイラー・タウンゼント選手のcrazy発言とは?「最高に頭おかしい」と訳された真意

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テニスのテイラー・タウンゼント選手が「人種差別発言をした」というニュースを見て、正直びっくりしました。
全米テニスでは彼女自身が人種差別的な発言を受けた側だったのに、今度は中国ツアー中に「中国料理に対して差別的な発言をした」と報じられていたんです。


CNN記事の内容

記事によると、タウンゼント選手は女子テニスの国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ(BJK杯)」ファイナルズで中国・深センに滞在中。
現地で出されたカメ肉やウシガエル、ナマコといった料理をインスタグラムに投稿し、

“This is the craziest thing I’ve ever seen… and people eating this.”

とコメント。

そして日本語記事では、このcrazyを――

「最高に頭おかしいよね…これ食べてるんだよ」

と訳していました。


私がひっかかったポイント

確かにこれは「言ってはいけないこと」を言ってしまっているように見えます。
ただ私が一番気になったのは、crazy(craziest)=「最高に頭おかしい」としてしまう翻訳。

crazyって、若い子が日本語で「やば!」とか「えぐっ!」って言うのと同じで、良い意味でも悪い意味でも使えるカジュアルな表現だと思うんです。

「最高に頭おかしいよね」と訳してしまうと、中国人が本当に気が狂っているかのような直接的な侮辱に聞こえる。
でも私が思う実際のニュアンスは――

「これは今まで見た中で最強にやばいやつ、みんなこれ本当に食べるんだよ!」

くらいのトーンだったんじゃないかなぁ。「最高に頭おかしい」は、どうしてもクリック数をあげたり、読む人の感情を「煽る」ために敢えて使われた大げさな翻訳表現だと感じてしまいました。


翻訳で印象が変わる怖さ

もちろん、異文化や食文化に対してcrazyを公の場で使うのは相手に対してリスペクトを欠くことだし、タウンゼント選手の配慮不足だったのは間違いありません。だから彼女もすぐに謝罪コメントを出しています。

でも、「crazy」をどう訳すかで、受け手が抱く印象は大きく変わる。「最高に頭おかしい」にしちゃうと、記事を読んだ人は「うわ、タウンゼント選手そんなこと言っちゃうんだ、酷いよね」と思ってしまうはずです。そこに翻訳の怖さを感じました。同時にメディアの責任というか、言葉を撒き散らすことのできるメディアだからこそ、もう少し中立な表現を使ってもらえるといいのになぁと思います。


SNSとことばの難しさ

きっと彼女も、カメやウシガエルといったメニューに驚いて、

「やべ!えぐっ!」

という気持ちをシェアしたかっただけなんだろうなぁと想像します。その興奮とか驚きの気持ちが、異文化に対する配慮を上回ってしまっただけ。
もしこれが友達との会話だったら、誰でも言ってしまいそうな感想ですよね。

タウンゼント選手の件を見て改めて思ったのは、SNSでの発言は言葉ひとつで誤解を生むということ。そして恐ろしいことに、それが一瞬で拡散されてしまって、取り返しがつかない。だからこそ、「第三者が見たらどう思うか」「相手を攻撃していないか」を少しだけ意識するだけでも、誤解や炎上を避けやすくなります。軽い驚きや感想なら、絵文字や写真を添えたり、「びっくりした!」「予想以上!」など柔らかい表現に置き換えるだけでも印象はぐっと変わります。SNSで発信するときは、ほんのひと工夫で安心してシェアできるんだなぁと改めて感じました。

さらに、、ニュースの見出しに煽られないこと、騙されないこと。鵜呑みにしないこと。改めて大事だなぁと思っています。

最後に、テイラー・タウンゼント選手は今までに体形批判など、色々な経験を乗り越えてきたテニスプレイヤー。現在の世界ランキングダブルス1位!そして可愛い息子さんを育てているシングルマザーでもあります。大坂なおみ選手もですが、ママをしながらテニスもがんばっている選手、大変なことも沢山あると思うけれど、応援していきたいなーと思います!

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